はじめに
通院や外出のために長期レンタカーを使うとき、折りたたみ車いすが荷室に入るだけでは、移動しやすい車とは言えません。利用者が座席へ移れるか、介助者が車いすを持ち上げられるか、目的地で安全に降ろせるかも同時に確かめる必要があります。車いすの寸法は型式や付属品で異なり、荷室の開口や床の高さも車の仕様によって変わります。この記事では、利用者・車いす・車両・駐車場所を分けて測り、乗車から到着後の取り出しまでを実車で確認する順序を整理します。数週間使う車だからこそ、毎回無理なく繰り返せる動線かを見ていきましょう。
この記事のポイント
✔ まず利用者が通常の座席へ移れるかを確認し、車いすのまま乗る場合と分けます。
✔ 手持ちの車いすを折りたたんだ状態で測り、重さや持つ位置も取扱説明書で確認します。
✔ 荷室は開口の狭い部分、床の高さ、座席を使った状態、固定方法まで見ます。
✔ 自宅と目的地の両方で、ドアを開けて乗り降りできる余地を確かめます。
目次
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先に「どう乗るか」を決めてから荷室を見る
車いすを荷物として運ぶ通常の車と、車いすに座ったまま乗る専用仕様の車では、確認する設備が違います。座席への移乗が可能かを本人の状態と普段の介助方法に沿って整理することが出発点です。
利用者が車の座席へ移る場合を想定する
通常の座席へ移る場合は、車いすを車の脇へ寄せ、利用者が乗車し、車いすを折りたたんで荷室に積む流れになります。座席の高さ、ドアの開き、座席横の空間、乗車後にシートベルトを使えるかを確認しましょう。「荷室に車いすが入る」だけでは利用者の乗車を判定できません。移乗の方法や必要な介助人数は人によって違うため、本人と普段支援する人の判断を優先します。
車いすのまま乗る必要がある場合は仕様を分ける
座席への移乗が難しい場合、車いすのまま乗車できる専用仕様が必要かを検討します。専用仕様では、スロープ、車いす固定装置、乗員用シートベルトなどの設備と、手持ちの車いすとの適合確認が必要です。一般的な車の荷室へ車いすを置き、利用者がそこに座ったまま走行する方法は想定しません。Hondaの車いす仕様車も、適合する車いすや乗車手順を個別に示しています。専用仕様ならどの車いすでも使えるとは判断しないでください。参考:Honda「車いす仕様車の乗り入れ手順」
乗る人全員の座席を先に数える
利用者、運転者、介助者、ほかの同乗者が座る位置を決めます。後席を倒す場合、残る座席とシートベルトで全員が乗れるかが変わります。人の座席を削っていないかを先に図にしましょう。自動車メーカーの取扱説明書でも、荷室に人を乗せず、乗員は座席でシートベルトを使うよう注意しています。参考:トヨタ自動車「荷物を積むときの注意」
手持ちの車いすを折りたたんで実測する
「折りたためる車いす」という分類だけでは、荷室に入る形も持ち上げる負担も分かりません。手持ちの型式と実物の両方を確認します。
型式の取扱説明書で折りたたみ方を確認する
駐車用ブレーキ、フットプレート、背もたれなど、折りたたむ順序は製品によって異なります。手持ちの取扱説明書を見て、必要な操作と、畳んだ後に動きやすい部品を確認してください。たとえばカワムラサイクルのある製品の説明書には、折りたたみ前にブレーキをかけ、フットプレートを上げる手順が示されています。別製品へそのまま当てはめず、使っている車いすの手順を優先します。参考:カワムラサイクル「軽量車いす 取扱説明書」
三辺だけでなく突起や付属品も測る
畳んだ状態で全長・全幅・全高を測ります。クッション、バッグ、足台などが張り出すなら、その状態も記録しましょう。説明書の寸法と実物には差もあり得るため、一番張り出した部分を含む実測値を使います。付属品を外す場合は、置き場所と再装着の手順も確認してください。
重量と安全に持てる箇所を確かめる
車いすの重量は、荷室へ持ち上げる人の負担に直結します。説明書の重量と、普段付けている物を含む実際の重さを分けて考えましょう。メーカーは、可動するアームや脚部、押手などを持ち上げ位置にしないよう注意しています。どこを持つかは手持ち製品の説明書で確認し、介助者一人で持てると決めつけないでください。床の高さや持ち上げる距離も合わせて判断します。参考:カワムラサイクル「車いすの正しい持ち上げ方」
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ウィークリー・マンスリー利用に対応しているため、短期から長期まで柔軟に車を確保できます。
料金・車両を見る →荷室は「開口・内部・床高」を別々に照合する

車いすの折りたたみ寸法が荷室の公表値より小さくても、開口部を通せない、座席を使うと奥行が足りないなどの問題が残ります。実際に使う座席配置で確認しましょう。
バックドアの開口で最も狭い部分を見る
開口は上部と下部、左右の張り出しで幅が違う場合があります。荷室の最大幅だけでなく、車いすを入れる経路の最狭部、高さ、荷室の手前の段差を見ます。Hondaの車いす仕様車の資料にも、開口の最大部と最小部で寸法が異なり、車いすの形状によって利用可否が変わる旨が示されています。これは専用仕様の例で、寸法を通常車へ転用するものではありません。参考:Honda「車いす仕様車の寸法・装備」
必要な座席を起こした状態で奥行と高さを測る
カタログの荷室容量は、シートを倒した条件などで示されることがあります。必要な座席を起こし、車いすを置く向きの奥行、横幅、上方の余裕を確かめてください。ほかの荷物や補助具の場所も残します。全員が乗る状態で無理なく出し入れできるかを見ましょう。
荷室床の高さとバックドア後方の空間を見る
荷室床が高いと持ち上げる距離が増えます。同一車名でも仕様により床高が違う例があり、公表値は車両の状態で変わります。候補の年式・仕様と実車を照合してください。自宅や目的地でバックドアを全開にでき、介助者が立てるかも確かめます。参考:トヨタ自動車「荷室フロア面の高さ」
| 確認対象 | 手元で用意する値・情報 | 実車で見る場所 | 合わないときの判断 |
|---|---|---|---|
| 車いす | 型式、折りたたみ三辺、重量 | 開口の最狭部、床高、荷室内部 | 向きだけで無理に押し込まない |
| 利用者と同乗者 | 人数、移乗方法、介助の要否 | ドア、座席、シートベルト | 座席配置を見直す |
| 駐車場所 | 区画幅、隣車・壁との距離 | 側面と後方の作業空間 | 別の場所や移動方法を検討 |
| 荷物の固定 | 付属品、固定に使える装備 | 荷室の固定箇所と視界 | 取扱説明書で適切な方法を確認 |
積み込みと固定は実車の装備に合わせる
荷室へ置けた時点で確認を終えず、走行中に動かないか、降ろすときに同じ動作を繰り返せるかまで見ます。車いすを荷物として安定させる方法は、車両側と車いす側の取扱説明書を照合します。
持ち上げる動作を途中で止められるか試す
車いすを持ち上げる前に、バックドアの開き、地面の傾き、足元の障害物を確認します。腰をひねりながら奥へ押し込まなければ入らないなら、毎回の積み込みには負担が大きいかもしれません。無理なく保持できる重量と高さを、実際に積む人が確認してください。介助中の本人を待たせる位置も考え、車いすを畳む作業と持ち上げる作業を同時に急がなくてよい順序を作ります。
車いすが動かない固定方法を確認する
車いすを荷室に置いた後は、車両の説明書に沿って固定方法を確認します。Hondaの特定仕様の説明書には、畳んだ車いすを置き、ブレーキをかけ、固定用ネットで固定する手順があります。ただし、すべての車に同じ固定具が付くわけではありません。使う車の固定箇所、固定具の有無、車いすの置き方を実車で確かめ、ブレーキだけで固定できると考えないようにします。参考:Honda「車いす収納の取扱説明書」
後方視界と乗員との距離を確保する
背の高い状態で立てかけると、後方の視界を妨げたり、急な動きで車内に倒れたりするおそれがあります。車両の説明書が示す荷物の積み方を確認し、車いすや付属品を乗員の足元やシートベルト周辺へ無理に置かないようにします。ドアが閉まるか、視界が残るか、固定できるかを別々に確認してください。三つのうち一つでも満たせなければ、積み方や車両を見直します。参考:トヨタ自動車「荷物を積むときの注意」
駐車位置から乗り降りまでの動線を歩いてみる

駐車場の区画に車体が収まっても、隣車や壁が近いとドアを十分に開けられません。自宅だけでなく、通院先や頻繁に立ち寄る場所でも、横と後ろの作業空間を確認します。
側面に車いすと介助者の位置を確保する
車いすから車の座席へ移る場合、車いすをドアの横へ寄せ、介助者が立つ位置が必要です。壁や隣車、柱でその位置が取れないなら、区画の幅が車体寸法を満たしていても使いにくくなります。国土交通省の建築設計標準は、車いす使用者用駐車施設の乗降スペースや水平性を設計上の要点としています。ただし一般区画に同じ広さがあるとは限らないため、実際の駐車位置で確認します。参考:国土交通省「建築設計標準・駐車場」
移乗は本人に合った方法と場所を優先する
座席への移乗を急ぐために、車いすのフットプレートへ体重をかけたり、傾いた場所で作業したりしないようにします。車いすの取扱説明書には、移乗時のブレーキやフットプレート、地面の状態について注意が記されています。ただし、どのような介助なら安全かは本人の状態によって異なります。普段の支援方法に沿い、難しい場所では無理をせず、場所や移動手段を見直してください。参考:カワムラサイクル「軽量車いす 取扱説明書」
降車時の逆順まで想定する
出発時に積めても、目的地でバックドア後方が狭ければ車いすを降ろせません。駐車、車いすを取り出す、組み立てる、利用者が降車するという帰路も含めた順序を確認します。雨天や混雑時にも、車いすを地面に置いて開ける場所があるか見ておきましょう。数週間の利用では同じ動作を何度も繰り返すため、一回だけ力任せにできた積み方を合格としないことが大切です。
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料金・車両を見る →長期利用は実車確認と再確認の機会を決める
車種名や写真で候補を絞ったら、最後は手持ちの車いすと実際の車で確かめます。毎日の移動を想定し、車両や身体の状況が変わったときに見直せるようにします。
乗車・積み込みを一連の動作として確かめる
確認の順序は、駐車位置へ車を置く、ドアを開く、本人が座席へ移る、車いすを畳む、荷室へ積む、固定する、全ドアを閉める、という流れです。到着後は逆順も試します。寸法表の数字だけで合格にせず、実際に作業する人が無理なく続けられるかを見ましょう。車いすや付属品を持参できない場合は、型式・実測値・写真を用意し、現車確認で残る不確実性を明示します。
代わりの車や装備が必要な条件を記録する
開口は通るが持ち上げが難しい、荷室には入るが同乗者の席が足りない、目的地に乗降スペースがない、といった理由を分けて記録します。どれか一つでも解消できなければ、座席構成や荷室高が異なる車、専用仕様、別の移動方法を検討します。車いすのまま乗る必要がある場合は、専用仕様の装備だけでなく、手持ちの車いすとの適合も個別に確認してください。
利用期間中の変化を同じ表で見直す
通院先の駐車場所、同乗する家族、車いすの付属品が変わると、最初の確認結果をそのまま使えないことがあります。車両が交換された場合も、同じ車種という説明だけで荷室床高や固定箇所が一致すると考えないでください。変更があった項目を実車と現地で再確認し、積載と乗降の両方を見直します。無理な動作が増えたら、日常の移動方法を再検討する合図です。
まとめ
折りたたみ車いすを長期レンタカーに載せるときは、車いすの実測値と荷室寸法だけで決めず、利用者の座席、介助者の動き、駐車場所も同時に確かめます。座席へ移る方法と、車いすのまま乗る専用仕様は分けて考えましょう。手持ちの車いすと実車で乗車から降車までを試し、安全に固定でき、数週間無理なく繰り返せるかを判断することが大切です。
- 利用者・介助者の座席と移乗方法を先に決めます。
- 車いすの実寸、重量、荷室開口・床高・固定方法を照合します。
- 自宅と目的地の両方で、横と後ろの作業空間を見ます。
よくある質問
Q:折りたたみ車いすなら、どのレンタカーにも積めますか?
車いすの型式や付属品によって実寸と重量が違い、車も開口や荷室床の高さ、座席の状態で使える空間が変わります。手持ちの車いすを畳んで測り、候補の実車で出し入れ・固定・ドアの開閉まで確かめてください。
Q:車いすを積むとき、介助者が一人で持ち上げても大丈夫ですか?
重量だけでなく、荷室床の高さや持ち上げる姿勢、介助者の身体状況で負担は変わります。車いすの取扱説明書にある保持箇所を確認し、無理なく繰り返せるかを実車で判断してください。一人で持てると一般化せず、難しければ車両や方法を見直します。
Q:通常の車の荷室に車いすを固定し、座ったまま移動できますか?
通常の荷室は乗員の座席ではありません。車いすに座ったまま乗る必要がある場合は、その用途の専用仕様と、車いすの適合、固定装置、乗員用シートベルトを確認します。専用仕様でもすべての車いすが使えるわけではないため、実車と手持ちの車いすで確認してください。
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