社用レンタカーを増やすとアルコールチェックは必要?管理担当が確認する台数と運用

社用レンタカーを増やすとアルコールチェックは必要?管理担当が確認する台数と運用

はじめに

繁忙期や新しい案件に合わせて社用レンタカーを増やすとき、管理担当者が迷いやすいのが「その車も安全運転管理者の台数に数えるのか」「アルコールチェックをいつから行うのか」という点です。判断は会社全体の所有台数やレンタル日数だけでは決まりません。どの事業所が車を管理し、誰に運転を指示し、どのように業務で使うかを整理する必要があります。受取後に調べ始めると、初日の確認体制が間に合わないおそれがあります。この記事では、台数確認から管轄警察署への相談、対象となる場合の確認・記録・機器管理までを実務の順にまとめます。

この記事のポイント

✔ 所有台数ではなく、使用の本拠となる事業所ごとに車の使用実態を整理する

✔ レンタカーは契約期間だけで算入・除外を決めず、管理と運行の実態を確認する

✔ 判断が分かれる車は一覧にし、事業所所在地を管轄する警察署へ具体的に相談する

✔ 対象となる場合は、運転前後の確認、記録、機器管理、異常時対応を一体で整える

目次

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まず安全運転管理者の選任基準を確認する

5台という基準だけを切り取らない

広島県警の選任基準では、自動車を5台以上使用する事業所、または乗車定員11人以上の自動車を1台以上使用する事業所に安全運転管理者の選任が必要とされています。大型・普通自動二輪車は1台を0.5台として計算し、原付は含まれません。また、自動車20台以上では副安全運転管理者の選任基準も関係します。車種や台数帯を混ぜずに集計してください。現在の台数と増車後の台数を並べ、基準をまたぐ日や一時的な重複がないかも確認します。

会社全体ではなく事業所ごとに分ける

制度は、自動車の使用の本拠となる事業所ごとに確認します。本社3台、営業所3台だから会社全体で6台、という足し算だけでは結論を出せません。一方、帳簿上は別部署でも、同じ拠点で配車や鍵、運転者をまとめて管理していることもあります。組織図の名称だけで分けず、各車を普段どこに置き、どの管理者が運行を指示しているかを対応させます。複数拠点を巡回する車は、主な保管場所や日々の指示系統を説明できるようにします。

業務で使用する車両を一覧にする

業務使用車両の使用実態を整理する3項目
使用実態を3点で整理

所有名義にかかわらず候補へ入れる

最初の一覧には、自社所有車、リース車、長期・短期のレンタカー、業務利用を認めた従業員の車を記載します。ここで直ちにすべてを算入するのではなく、検討漏れを防ぐための候補表を作るのが目的です。車両番号、車種、契約者、利用開始・終了予定、通常の保管場所、主な運転者、利用目的、鍵の管理者を一行ずつ記録します。入替車は旧車との重複期間も確認します。通勤だけに使う車と、訪問・配達などの業務で使う車は同じ欄にせず、利用記録や社内承認の有無も分けておきます。

一時利用と管理下の継続利用を分ける

他県警の公式Q&Aでは、出張先で突発的に借りる車と、事業所の管理下で現に業務使用するレンタカーを分けて説明しています。つまり、「レンタカーだから対象外」「1カ月だから対象」とは一律に決められません。日々の配車を会社が決めるのか、車を事業所へ常置するのか、運転者や鍵を誰が管理するのかを整理し、広島県での扱いは管轄警察署へ確認します。

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レンタカー追加時の使用実態を整理する

契約と運行管理の事実をそろえる

警察へ相談する前に、契約期間と台数だけでなく、借受人、受取・返却場所、保管場所、利用部署、運転者の範囲、配車方法をそろえます。交代で複数人が使うのか、特定の社員だけが出張先で使うのかでも実態は異なります。更新を前提に契約を繰り返す場合や、故障車の代替として車両番号が変わる場合は、その運用も説明できるようにします。

管轄警察署へ質問を具体化する

問い合わせでは「レンタカーは数えますか」だけでなく、「広島市内のこの事業所で、会社契約の車を何日間、どこに保管し、誰が運転と鍵を管理する」と伝えます。そのうえで、どの使用の本拠へ算入するか、選任や変更の届出が必要か、いつまでに行うかを確認します。広島県警は、選任した日から15日以内の届出を案内していますが、個別車両の算入日をこの記事だけで確定しないでください。相談日、窓口、伝えた前提、回答内容を残し、契約延長や利用場所の変更時に再確認できるようにします。

対象となる場合の酒気帯び確認を組み立てる

酒気帯び確認の運用5ステップ
酒気帯び確認の流れ

一連の業務の開始前と終了後を押さえる

警察庁Q&Aでは、確認対象を「運転しようとする運転者」と「運転を終了した運転者」とし、ここでいう運転は一連の業務としての運転だと説明しています。必ずしも短い移動のたびに毎回行うのではなく、運転を含む業務の開始前や出勤時、終了後や退勤時に行うことで足りるとされています。自社の勤務形態と運行予定を対応させ、確認漏れや重複が出ない時点を決めます。

目視等とアルコール検知器を併用する

対象事業所では、運転前後に、顔色、呼気の臭い、応答の声の調子などを目視等で確認し、あわせてアルコール検知器を使用します。数値の写真だけを集める運用では、目視等の確認を置き換えられません。確認結果に問題がある場合の運転中止、代替運転者、上長への連絡、車の保管方法を事前に決めます。飲酒運転の可否を検知値の大小だけで判断する運用にはしません。新しいレンタカーは、登録番号と利用開始日を確認台帳へ反映してから配車します。

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直行直帰や複数拠点での確認方法を決める

対面できない場合も直接確認できる方法を使う

酒気帯び確認は対面が原則です。ただし警察庁Q&Aは、直行直帰など対面が困難な場合、携帯型検知器を携行させ、カメラで顔色や声と測定結果を確認する方法や、電話・業務無線など直接対話できる方法で声の調子と結果を確認する方法を例示しています。アプリへ数値を入力するだけで済ませず、誰が、いつ、どの通信方法で状態を確認するかまで手順化します。通信できない場合の待機場所、予備の連絡先、確認完了前に発車しないルールも決めます。

補助者や他事業所を使うときの責任線を決める

安全運転管理者が不在の場合などは、あらかじめ指定・教育した補助者へ確認を行わせられる場合があります。ただし、異常を確認したときは管理者へ速やかに報告し、運転中止等の指示を受けられる体制が必要です。同じ使用者の別事業所で確認する場合も、所属事業所の管理者への結果報告と必要な指示をつなぎます。レンタカー会社へ確認業務が自動的に移るわけではありません。

記録保存と検知器の管理を整える

8項目を車両情報と結び付けて残す

広島県警の案内では、確認者名、運転者、車両の登録番号等、日時、確認方法、酒気帯びの有無、指示事項、その他必要な事項を記録し、1年間保存するとしています。レンタカーは入替で登録番号が変わることがあるため、社内管理番号だけでなく実際の登録番号との対応も残します。対面でない場合は、電話やカメラなど具体的な方法も記載します。紙・電子のどちらでも、月日や運転者から必要な記録を探せる保存場所と閲覧権限を決めます。

検知器を常時有効に保持する

検知器は配布して終わりではありません。警察庁通達は、取扱説明書に従って使用・管理・保守し、定期的に故障の有無を確認して、正常に作動する機器を使うよう示しています。管理台帳には機器番号、配置先、確認日、確認者、異常、交換や校正等の対応を記録します。電池切れや故障時の予備機、遠隔地への受渡し、使用期限の確認も運用へ組み込みます。故障中でも測定したことにする運用はできません。正常な機器を用意できるまで運転させない手順を定めます。

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増車前に担当者・帳票・連絡先をそろえる

実施項目を一枚の準備表にする

車の受取日から運用を始めるには、台数判断と現場手順を同時に進めます。次の表を使い、未確認の項目と担当者を明確にしてください。

確認項目 整理する内容 主な確認先 完了の目安
台数 車種、期間、使用の本拠、管理実態 管理部門・管轄警察署 算入方法と届出要否を確認
運転者 所属、勤務形態、直行直帰 各部門責任者 確認対象者を一覧化
確認手順 前後の時点、対面・遠隔、異常時 安全運転管理者 代替運転者まで決定
記録 8項目、車両番号、保存場所 管理部門 1年間検索できる状態
検知器 配置、作動確認、予備、保守 機器管理者 利用開始日に有効な機器を用意

利用開始前に試行して変更も追跡する

実際の勤務時刻で確認を試し、早朝、夜間、直行直帰、管理者不在時にも連絡がつくか点検します。記録を一件作成し、8項目がそろうか、車両番号を取り違えないか、異常時に運転を止められるかを確認します。契約延長、増減車、保管場所の変更があれば一覧を更新し、選任・副管理者・届出への影響を再確認します。判断に迷う変更は、以前の回答を流用せず管轄警察署へ相談してください。

まとめ

社用レンタカーを増やすときは、契約名や日数だけでアルコールチェックの要否を決めず、事業所ごとの使用実態から確認します。

  • 所有・リース・レンタカーを含む候補車両を使用の本拠ごとに整理する
  • 管理、保管、配車、鍵、運転者の実態を示して管轄警察署へ相談する
  • 対象なら運転前後の目視等と検知器による確認、異常時対応を決める
  • 8項目の記録を1年間保存し、検知器を正常に使える状態で管理する

受取前に担当者、帳票、機器、連絡先まで試行しておくと、増車初日から確認を漏らさず運用できます。

よくある質問

Q:1カ月だけ借りるレンタカーは台数に含まれませんか?

A:期間だけでは確定できません。事業所での保管、配車、鍵、運転者の管理や、業務使用の継続性を整理し、使用の本拠を管轄する警察署へ確認してください。

Q:会社全体で5台になったら安全運転管理者が必要ですか?

A:会社全体の合計だけでは判断できません。制度は使用の本拠となる事業所ごとに確認します。各車の保管場所と運行を管理する拠点を整理し、判断が分かれる場合は管轄警察署へ相談します。

Q:直行直帰なら測定結果の写真を送れば十分ですか?

A:写真だけで目視等の確認を代替できるとは限りません。携帯型検知器を用い、カメラまたは電話などで顔色や声の調子と結果を直接確認できる方法を整えてください。

Q:基準台数未満なら飲酒確認をしなくてもよいですか?

A:選任基準に届かないことと、飲酒運転を防ぐ責任は別です。法定の安全運転管理者業務の対象かは警察へ確認し、対象外でも自社の安全管理規程に沿って必要な確認を実施してください。

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